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鼻息男って?
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新たな隊士を募り、流山で調練し、会津へ向かうことに決めた大久保大和(近藤)さんでしたが、検分する薩摩藩士有馬藤太さんに薩長を赦さない理由を説明しました。
・みかどを利用し戦を起こした ・薩摩は徳川に助力するように見せかけ、最後に裏切った → 武士として恥ずべき行動であり、 義を重んじる者にとって薩長を赦すわけにはいかない つまり武士としてのやり方とは言えないから抗うと言っています。 【わきみち】薩摩のやりかたをどう考えるかと大和さんに訊かれ、 ドラマの中の大和さんを前提に、薩長勢力(特に、薩摩)に徹底抗戦する理由として考えられそうなことを書き出してみたいと思います。 ・ 京都において過激なテロ紛いの活動が展開されていたことは事実 であり、そこに長州・薩摩など、諸藩の"志士"が関与していたこ とは明らか。 ・ そして、京都守護職の役目を負う会津藩の御預である新選組が、 治安維持に奔走したことを咎められるのは筋違い。 ・ 尊王攘夷の目的は、テロリズムという手段を正当化しない。 ・ 徳川幕府を見限った坂本龍馬の活躍により薩摩と長州が同盟を結 んだこと、したがって長州征伐に薩摩が協力しなかったことは致 し方がないとしても、その後の薩摩の行動を説明できない。 → たとえば、 ・あくまで武力倒幕にこだわり、大政奉還を大統領制へと つなげようとしていた坂本龍馬を佐々木只三郎に暗殺させ たこと。 ・(もしかして孝明天皇を暗殺して)、明治天皇を傀儡と したこと。 ・あくまで武力倒幕にこだわり、徳川慶喜に対する「懲罰」 を強行する構えをみせて幕府を挑発したこと。 つまり、内戦の回避が「まことの攘夷」と考えられるのに、内戦を惹き起こしたのは薩摩だというあたりが中心となるでしょう。それに加えて、その"正しい道"に尽くして斃れた人の死を無駄とは考えられない「感情論」を考えあわせなければならないでしょう。 ただ、あくまでドラマの骨組みにそい、細かい事実を削ぎ落とすと、少し違ったものが見えて来るようにも思います。 **** **** (a) 多摩 ・次男 ・宮川家(豪農) (b) 江戸 ・嫡男(養子) ・近藤家(道場) (c) 京 ・一組員 ・幕府 (d) 京 ・"局長" ・ --- (e) 京 ・局長 ・会津藩 (f) 京 ・旗本 ・幕府 (g) 江戸 ・旗本 ・幕府 (h) 流山 ・旗本(大久保大和) ・ --- **** **** このように骨組みだけを取り出してみると、こんな風に見えてはこないでしょうか。 (1) 傭兵隊長近藤勇としての時期がほとんどであり、その草創期(d)に隊長(局 長)個人の兵力(「私兵」)という意識が生じたのではないかと思えるし、 それを土方と法度が助長したのかもしれない。 (2) 雇い主は一貫して徳川(ないし佐幕勢力)であり、経済的基盤の提供者に忠実 だったようにも見えてくる。 結局、(g)の時期になって幕臣の意識を持てと言われて困惑していたのではないでしょうか。つまり新選組の実質は、もしかすると、近藤勇を筆頭として、雇い主を求めていた「傭兵部隊」のようなものではなかったか、と考えられるような気がするのです。 ですから、例えば京都御所を護る役目の薩摩に経済基盤を求める可能性があったとすれば、新選組は倒幕に加わったかもしれません。伊東甲子太郎の「御陵衛士」がまさにそのような可能性を模索していたようにも見えてきます。 芳賀宣道(ぎどう)さん(=市川宇八郎改め)の批判を永倉さんに否定させ、オムレツに珈琲かなんかの木戸貫治(?)(桂小五郎)に近藤さんを褒めさせて幾松と対比させたり、さらに、鉄舟さんに一般的な見方を代表させた上で海舟さんにそれを否定させて褒めさせたりするあたり、最終回だなぁと思います。 明治は要するに薩長の世の中である以上、徳川時代(江戸時代)を全否定する勢いで明治の歴史教育がなされたに違いありません。新政府に刃向かった人たちは大悪党というラベルを貼られてしまっているのでしょう。そのラベルを剥がすのは大切な仕事だろうと思います。 鼻息男が、このドラマを観て感じたことは大きく二つあります。 ・ 江戸時代が封建的で暗くて身分制で息苦しいというイメージは、 明治以降の歴史教育で相当に誇張されているかもしれないから、 気をつけないといけないかもしれない。 ・ 幕末ファンは多いのに、太平洋戦争の「敗戦マニア」は見当たら ない。死んだ者に顔向けできないという意識、生き永らえること を恥ずる気持ちは、いわゆる戦後小説に何度も書かれていたよう な気がしますが、あまり関係ないのだろうか。 幕末のことは「個人の歴史」という感じがするけれど、太平洋 戦争はもう「個人の歴史」でなくなっているからだろうか。 きっと薩長方から見た幕末は違っているでしょう。 「事実」でさえ視点を変えれば違って見えるのですから「いわんや歴史においてをや」です。 ものごとはなるべく色んなところから観た方がいいな、と思いました。[ー、]
by gyou-ten
| 2005-09-30 08:01
| 仰天!、な「新選組!」
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