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鼻息男って?
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元気を出すために、あるDVDを観た。
もう何度目になるだろう。 「ザ・バンド(THE BAND)」の「ザ・ラスト・ワルツ(The Last Waltz)」。 ディランさんがサンキューと叫んだところが観られるとか、 クラプトンさんのギターのストラップが外れたところが観られるとか、 マディ・ウォーターズさんが動いているところが観られるとか、 監督のマーティン・スコセッシさんの早口が観られるとか、 一つの時代の終わりを目撃できるとか、 この映画にまつわる色々なことが、 これまで色々なところで書かれてきただろうと思う。 「ザ・バンド」はとてもうまいし、 いい歌ばかりだし、 ほんとうに素晴らしい。 ともあれ鼻息男にとっての大きな問題は、 ロビー・ロバートソンさんの書く詞が「文学」で、 歌の深い意味まではとても理解できないことだ。 だから「いい歌ばかり」と書くのはやめて、こう書こう。 鼻息男は、「ザ・バンド」のどの歌にも魅かれる。 ザ・バンドには深みがある。 アメリカに外から近づいて、 その奥にまでたどりついてしまった人々。 南北戦争の敗者の側から観た光景を描いた歌(*)なんて、 聖書の知識を背景にした含蓄のある歌(**)なんて、 鼻息男には深すぎて、簡単にはわからない。 鼻息男に伝わってくるのは、だから、 「これは大事なことなんだ」という彼らの気持ちだ。 わからないなりに、大事なことを歌っているな、と説得される。 そんなわけでこの映画を観て心に残ることは多いが、 とくにそのうちの一つを書く。 ザ・バンドのガース・ハドソンさんがバンドメンバーになるとき、 音楽の先生として参加する名目で週給10㌦を受け取ったという。 宗教を厳格にとらえる家柄だったので、 そういう理由をつけないと家族が反対したからだ。 人の心を惑わす音楽は悪魔の誘惑そのものであるといったような考え方が、 実際に存在していたし、もしかすると今でもそう考えている人がいるかも知れない。 「ジャズは"evil"」だったのだと、ガースさんは言っていた。 ガースさんは、そう言われるような音楽によって救われる人々を知っていた。 だから、親に嘘をついても、ロックをやった。 音楽的な素養をロックに使った。 すごい話だと思う。 確かにロックは、アメリカ南部の「どさまわり」一座のようなところから生まれたのだし、 もともと猥雑でいかがわしいものだったと、リーヴォンさんも、ロビーさんも映画の中で口を揃える。 マディさんが、 ボー・ディドリーさんが、 エルヴィスさんが姿をあらわしてから、 ロックは、日本の忌野清志郎さんにまで届いた。 そして、忌野清志郎さんを始めとする数多くの才能を通じて、 鼻息男はロックを受け取る。 鼻息男にもロックと呼ばれる音楽に救われるときがあるが、 それを宗教的なことだと理解する立場がありうるのだ。 「ジャズは"good"」という表現になるかもしれないのだ。 すごい話だと思う。 そこでは、音楽と魂とが直結して、話が宗教になってしまう。 日本の人は純粋にロックを楽しめるのだ、と言ってしまっていいのだろうか。 元気を出すつもりだったのだが、鼻息男はかえって不安になってしまう。 考えすぎなのだろうか。[ー、] * The Night They Drove Old Dixie Down 『あのディキシーをヤツらが南へ追い払った夜』(?) ** The Weight 『背負うべき重み』(?) [The Band][The Last Waltz] [Martin Scorsese]
by gyou-ten
| 2006-06-08 08:02
| 仰天、な思いつき
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